食洗機が臭う4つの原因|下水のにおいは空で1回まわすだけ
食洗機を開けたら、いやなニオイがした。
ここで多くの人が「洗えていないのでは」と考えます。しかし——食洗機のニオイには4つの種類があり、それぞれ原因も対処も違います。
LIXILは、この4つをはっきり分けて説明しています。まずどれに当てはまるかを見極めてください。ニオイの種類がわかれば、やることは決まります。
まず、どのニオイかを見分ける
| ニオイの質 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 生臭い | 残菜フィルターの汚れ・残菜 | フィルターの手入れ |
| 下水のにおい | トラップ内の水がなくなった | 庫内が空の状態で運転 |
| 焦げ臭い | ヒーターカバーの汚れ/樹脂製品の接触 | 汚れを除去・樹脂製品を取り出す |
| ゴム・樹脂のにおい | 購入直後の部品特有のにおい | 使い続ければ薄れる |
「洗い方が悪い」で説明がつくのは、実は1つだけです。順に見ていきます。
① 生臭い——残菜フィルター
最も多いのがこれです。
「残菜フィルターに汚れや残菜が残っている可能性」(LIXIL)
では、どのくらいの頻度で掃除すればよいのか。パナソニックの指定は明確です。
残さいフィルターの手入れは使用後毎回。「残さいフィルターを外し、残さいを取り除きます」。汚れが落ちにくい場合は「ブラシでこすり落としてください」(パナソニック)
毎回です。週1回でも、月1回でもありません。
食器を洗った水が最後に集まる場所であり、そこには食べ物のかけらと油分が残っています。湿った状態で放置されれば、当然ニオイが出ます。
この構造は キッチンの排水口 とまったく同じです。ゴミ受けに残ったものが臭う——場所が機械の中に移っただけです。
入れる前に取り除くもの
LIXILは、フィルターに負担をかけないための予防も挙げています。
- 食べ残しや固形物(魚骨、油塊など)
- つまようじ、輪ゴム
- 飛ばされやすい軽いもの——「プラスチックのスプーンなどは食器洗い乾燥機に入れないでください」
油の塊が挙がっている点に注目してください。キッチンの排水管に油を流してはいけない理由 と同じで、油は冷えると固まります。
② 下水のにおい——これは食洗機の問題ではない
ここが、この記事で最も重要な部分です。
長期間不使用や乾燥のみの運転で「排水管からの臭いの逆流を防止するためのトラップ内の水がなくなり」臭気が発生(LIXIL)
対処は、拍子抜けするほど簡単です。
「庫内が空の状態で運転してからご使用ください」(LIXIL)
洗剤も食器も要りません。空で1回まわすだけです。
これは家じゅうで起きている現象
当サイトでは、この「封水切れ」を何度も扱ってきました。
すべて同じ原理です。排水口には水を溜めて下水のニオイをせき止める仕組みがあり、その水が蒸発すると、下水と部屋が直通になります。
「乾燥のみの運転」で起きるという点は、食洗機ならではです。乾燥だけでは水が流れないため、トラップに水が補充されません。
旅行から帰ってきて食洗機が臭う——故障ではありません。空で1回まわしてください。
③ 焦げ臭い——ヒーターに何かが触れている
ヒーターカバーに汚れ付着、または樹脂製品の落下・接触(LIXIL)
これは放置してはいけないニオイです。プラスチックの容器やフタが落ちてヒーターに触れている可能性があります。
対処として、汚れは歯ブラシで除去、樹脂製品は取り出すことが挙げられています。
※LIXILは「運転直後のヒーター部は高温になっています」とし、十分に冷めるまで待つよう注意しています。また樹脂製品が溶けた場合は修理が必要です。
先ほどの「軽いものを入れない」という予防が、ここに効いてきます。プラスチックのスプーンは水流で飛ばされます。
④ ゴム・樹脂のにおい——買ったばかりなら
「購入後しばらくの間は、機器内部のゴムや樹脂部品特有の臭いが感じる」
使用を続けると「徐々に臭いは薄れていきます」(LIXIL)
新品で買った直後なら、これです。何かを間違えたわけではありません。
お手入れの頻度
パナソニックが示している目安です。
| 場所 | 頻度 | 方法 |
|---|---|---|
| 残さいフィルター | 使用後毎回 | 外して残さいを取る/ブラシでこすり落とす |
| ノズル | 月1度 | 取り外して水洗い |
| ドア・庫内・排気口・タンク | 月1度 | よく絞った柔らかい布で拭く |
| 庫内クリーナー | 月に1度(庫内が白く汚れたとき) | 食洗機専用のものを使う |
ノズルについては「詰まると洗浄不良や水漏れの原因になります」とされています。洗えていないと感じたら、まずノズルの穴を確認してください。
また、LIXILは「2日以上未使用時は食器と残菜フィルターをお手入れ」とも書いています。
庫内クリーナーは「入れてスタート」ではないことがある
パナソニックの案内では、洗剤自動投入を搭載した機種の場合、「洗剤自動」をオフにし、汚れレベルを指定して約5分運転したあと、一時停止してクリーナーを投入し、再度スタート——という手順が示されています。
最初から入れる方式とは限りません。機種ごとに手順が決まっているので、必ず取扱説明書とクリーナーの表示を確認してください。
やってはいけないこと
「庫内に、バケツなどで水やお湯を入れないでください。水漏れや異常報知の原因」(パナソニック)
これは修理費用が保証対象外になると明記されています。
汚れを浮かせたくて熱いお湯を入れる——やりたくなりますが、指定されていません。庫内クリーナーを使ってください。
強い手段でどうにかしようとするとモノのほうが壊れる、という構図は 水筒に塩素系漂白剤を使ってはいけない理由 でも同じでした。
ひとこと
いちばん驚いたのは「乾燥のみの運転」でも下水臭が出るという点でした。
食洗機の乾燥機能だけを使う——食器を軽く洗って庫内で乾かす、という使い方は珍しくありません。ところが水が流れないため、トラップの水が減っていく。使っているつもりで、封水は切れていく。
浴室・洗面所・洗濯機と、当サイトでは同じ現象を繰り返し扱ってきました。家の中に、水を溜めて下水を止めている場所がいくつあるか——意識したことのある人は少ないはずです。食洗機もその1つでした。
そしてもう一度確認したいのが、残さいフィルターが「使用後毎回」だということ。週1回でも足りません。ここが、いちばん現実との差が大きい部分だと思います。
— ニオラボ編集室
よくある質問(FAQ)
Q. 重曹やクエン酸を入れてもよいですか?
パナソニックが案内しているのは食洗機専用の庫内クリーナーです。
メーカーが指定していないものを入れると、故障や保証の対象外につながる可能性があります。取扱説明書を確認してください。冷蔵庫では、メーカーが重曹とクエン酸の使用を明確に禁じている例もありました(冷蔵庫のニオイ対策)。
Q. 食器を入れっぱなしにしてもよいですか?
汚れた食器を庫内に溜めておけば、当然ニオイの元になります。
LIXILは「2日以上未使用時は食器と残菜フィルターをお手入れ」としています。溜めるなら、庫内は密閉されているわけではないと考えてください。
Q. 何でも食洗機で洗えますか?
洗えないものがあります。ステンレスボトルは、メーカーが食器洗い乾燥機の使用を禁じています。
ペットの食器についても、食洗機で解決するかどうかを検討した記事 があります。素材と製品の指定を確認してください。
Q. 洗い上がりが悪くなってきました
ニオイと同じく、まず残さいフィルターとノズルを確認してください。ノズルが詰まると水が届きません。
庫内が白く汚れている場合は、庫内クリーナーの出番です。
Q. ゴムパッキンが黒ずんでいます
ドアまわりは「よく絞った柔らかい布で拭く」と指定されています(パナソニック)。
強くこすったり、研磨するものを使ったりしないでください。パッキンが傷めば水漏れにつながります。
Q. 排水ホースが臭う気がします
トラップの水がなくなっている可能性があります。庫内を空にして1回運転してください(LIXIL)。
それでも改善しない場合は、排水経路そのものの問題かもしれません。キッチンの排水口の記事 もあわせてご覧ください。
まとめ
- 食洗機のニオイは4種類。まずどれかを見分ける
- 生臭い→残菜フィルター。手入れは使用後毎回(パナソニック)
- 下水臭→トラップの水がなくなっている。庫内が空の状態で1回運転する
- 「乾燥のみの運転」でも封水は切れる
- 焦げ臭い→ヒーターの汚れか樹脂製品の接触。放置しない
- ゴム・樹脂臭→購入直後なら徐々に薄れる
- ノズル・庫内は月1度。庫内クリーナーは専用品を使う
- バケツで水やお湯を入れない(水漏れ・保証対象外)
食洗機のニオイは、洗い方の問題とは限りませんでした。
ニオイの質を1つ確かめるだけで、やるべきことが決まります。そして下水臭なら——空で1回まわすだけです。
参考にした情報
※本記事は公開されている情報をもとに整理したものです。指定はメーカー・機種によって異なります。必ずお使いの製品の取扱説明書をご確認ください。